辛い時にはいつも本があった

辛い時にはいつも本があった

辛い時、苦しい時、悲しい時に書店に行くといつもその時の気持ちにぴったりの本との出会いがありました。

【おすすめ本84】『絶体絶命な彼らの華麗なる決断』鳥原隆志 バタバタ状態を乗り切るインバスケット思考

『絶体絶命な彼らの華麗なる決断』

鳥原隆志

2012年 WAVE出版発行

 

 

奈々とあゆみ、

そして「ミラクル」のメンバーの

行く手にたちはだかる数々の問題。

デビューコンサートの

幕をあげられるかどうかは、

すべて60分間の

あなたの判断にかかっている!

 

表紙カバー裏に書かれたこの言葉。

とても面白そう!

読み始めたらグイグイ引っ張られる感じで最後まで楽しく読めた。

 

※インバスケットとは、架空の人物になりきって、

限らえた時間の中でより多くの案件を精度高く処理するビジネスゲーム。

 判断力や問題解決力を問うビジネスリーダーのツールとも言われている。

 

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この本をおすすめしたい人

  • インバスケット思考に触れたことがない人
  • 昇進試験などでインバスケットを学びたいけど難しそうと思っている人
  • とっさの時にパニックになってしまう人
  • 自分の判断力に自身がない人

 

著者紹介

鳥原隆志(とりはら・たかし)

 

株式会社インバスケット研究所 代表取締役

インバスケット・コンサルタント

大手流通業にて、さまざまな販売部門を経験し、

スーパーバイザー(店舗指導員)として店舗指導や問題解決業務に従事する。

昇格試験時にインバスケットに出会い、トレーニングと研究を開始する。

その経験を活かし、株式会社インバスケット研究所を設立。

これまでに制作したインバスケット問題は、ゆうに腰の高さを超える。

現在、日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活躍中。

著書に10万部のベストセラーとなった『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』、『人を動かす人柄力が3倍になるインバスケット思考』(以上小社刊)、『いまから、君が社長をしなさい』(大和書房刊)、『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』(中経出版刊)などがある。

 

『絶体絶命な彼らの華麗なる決断』より引用

 

 

この本のおすすめポイント

  • 物語形式でインバスケット思考が学べる
  • インバスケット思考の基本的な部分だけがシンプルに書かれているので難しくない
  • ライブを直前に控えたバンドが次々におそわれるトラブルを解決していく形式をとっているので自分が当事者ならと考えながら読みすすめていける
  • バンドのキャラクターのセリフが面白く(特に奈々とか)物語として楽しく読める
  • 気軽に読める内容なのでインバスケット思考に対するハードルが下がりもっと知りたくなる
  • ビジネスシーンでは無い想定なので、普段の生活でもインバスケットを活用できるとわかる

 

心に残った点・役に立った点

 

バタバタしている人

 バタバタしている人にはバタバタする原因があり、その原因が外にではなく、自分の中にあるのは間違いない事実です。外に原因を求める人もいますが、私はその方がたとえ職場を変わられても、恵まれている状況にいてもバタバタしているのを知っています。

 

『絶体絶命な彼らの華麗なる決断』おわりに より引用

この本の「おわりに」にあるこの文。

 

私の若い頃を思い出すと、ほんとうにこれ。

そしてミスも多かった。

 

少しずつ自分で改善をしていったけど、コツがわかっていなかったので、

とても遠回りしていた気がする。

 

今考えると、優先順位も間違っていたし、

判断力もなかった。

(判断力があると思っていたが、この本を読んで判断力はなかったと気がついた)

 

新卒の頃にこのインバスケット思考を学んでいればなぁーと。

 

20の案件を処理

 

 あなたは軽音楽バンドグループのリーダー青沢茂人(あおさわしげと)です。

 (中略)

 

 じつは本日は、結成した軽音楽バンド「ミラクル」の初めてのコンサート日だったのです。

(中略)

 

 しかし、コンサート会場に到着するとなにやらおかしな雰囲気です。

(中略)

 今回のコンサート開催についてホール手配などのプロデュースを頼んだ、イベントプロデューサーの狩野という男が、5日前から連絡が取れなくなったというのです。しかも、前売り券の販売代金40万円をすべて渡してしまったと奈々から聞かされました。

 このお金は、本日の会場台や観客の飲食代などに充当するつもりでした。

 奈々が付近のライブハウス「荻野ホール」を探し、幸運にも本日は予約が入っていなかったのでホールを予約することができ、観客に対する会場変更の通知も完了っしているものの、会場側からは、規定で本日の18時までに入金がないと、途中でコンサートを打ち切ってもらうことになると言われ、奈々が現在交渉しているとのことです。

 

 開演まで1時間。

 あなたのもとにはさまざまな案件が押し寄せます。

 これからあなたは、リーダーの青沢として20の案件を処理してください。

 

『絶体絶命な彼らの華麗なる決断』より引用

 

正直に言って、私はこの20の案件を考えてもわからなかった。

 

開演1時間前という時間を考えると、

なんで!?という気持ちが先行してしまい、

とてもじゃないけど、優先順位を冷静に考えられないと思う。

 

きっと、目の前のことから処理してしまい、

結局時間切れになってしまっていると思う。

 

自分に足りない部分、インバスケット思考でいう、対策立案力(対案を出すことによって、対策を比較し、より良い対策を作り出すことができる)や、調整能力なども意識して身につけようとしないと身につかない部分を知ることができた。

 

きっとこの本だけでは、インバスケット思考を全部身につけるのは難しいかもしれないと思う。

インバスケット思考の基本となる屋台骨の部分が書かれているが、

どう実践するかというとこの本しか呼んでいない人は戸惑うかも。

 

だけど、インバスケット思考をもっと知りたいと思う本。

何より、物語にひきこまれてイッキに読んでしまう。

 

ラストもとても前向きで、読後感も良い。

 

余談だが、読んでいて登場人物の奈々の天真爛漫な性格がちょっとうらやましかった。

私は不思議と彼女がどんどん好きになっていった。

 

インバスケット思考に興味を持った方、

是非どうぞ!

 

 

 
 

 

 

 

【おすすめ本83】『できる大人は「ひと言」加える』松本秀男 一瞬で自分を印象づける!

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『できる大人は「ひと言」加える』

日本ほめる達人協会 専務理事 松本秀男

2018年 株式会社青春出版社 発行

 

仕事でメールをやり取りするときに、

何か一言うまい言葉を付け加える人からメールをもらうと

それだけで心が温まったり、またこの人と仕事がしたいと思う。

 

それと営業職なので、

話の終わりなどに気の利いた言「ひと言」を加えられたらなぁ、

とも思うことが多くこの本がその手助けになりそうなので読んでみた。

 

 

この本をおすすめしたい人

  • 人に言葉で印象づけたい人
  • 仕事で相手と良いコミュニケーションを取りたい人
  • 営業や販売、接客などの仕事をしている人
  • 家族ともっとコミュニケーションを取りたい人

 

 

 

著者紹介

松本秀男(まつもとひでお)

 

一般社団法人 日本ほめる達人協会 専務理事。

1961年東京生まれ。

国学院文学部卒業後、歌手さだまさし氏の制作担当マネージャーを8年半勤め、アーティスト活動をサポート。その後家業のガソリンスタンド経営を経て、45歳で外資系最大手のAIU損害保険株式会社(当時)の代理店研修生に。

トップ営業経験の後、伝説のトレーナーとして部門実績を前年比130%に。

さらに本社・経営企画部のマネージャーとして社長賞を受賞するなど、数々の成果と感動エピソードを生み出し続けた。

現在は徹底的に人の価値を見つけ、人と組織を動かし業績を上げ、しかも家庭まで元気にする「ほめる達人(ほめ達!)」として、リーダーシップや営業強化研修、子育て講演なので活躍。テレビ・ラジオ・ウェブなどメディア出演も多数。

(以下略)

 

『できる大人は「ひと言」加える』より引用

 

この本のおすすめポイント

  • 「ひと言」のヒントがたくさん載っている
  • エピソードがたくさん載っているので読んでいて楽しい
  • 新書版なので持ち運びに負担がかからず通勤の時読みやすい
  • 仕事の事だけではなく、家庭でも使える「ひと事」が載っている
  • 読むと明るい気分になる
  • 気軽にやってみようという内容

 

心に残った点・役に立った点

 
「ひと言プラス」で印象は変わる!高感度が上がる!

 

今回興味が一番あった点はここ。

 

仕事で「ひと言」付け加えたい気はあるのだが、

その「ひと言」が思い浮かばない。

(ひと言を付け加えようとして失礼な言を言ってしまうも怖い)

 

相手との心の距離がぐっと縮まる「20文字のプレゼント」

 

「おかげで、仕事が2日分ぐらい前に進みました!」

「ゴールに向けて一気にエンジンがかかりました!」

「この日程は、個人的にとてもありがたいです!」

 

こういったひと言をプラスすれば、

相手は対応したかいがあったと感じてモチベーションもアップ。

 

高感度もアップ、「あの人のためなら、次もなんとかしよう」

と思ってくれる。

 

これは自分なりに言葉を変えて、少しずつ実行。

 

結果、まだまだうまい「ひと言」は使えていないが、

メールに一言付け加える言を少しずつ付け加えるとなんとなくコミュニケーションが良くなるのを実感。

 

ここでのポイントは、

20文字ということかも。

 

長すぎず、短すぎず。

メールに付け加える「ひと言」は20文字というのがちょうどよい。

 

 

「相手の名前を呼ぶ」だけで高感度が上がる

この事を読んで思い出した事。

昔、パソコンのインストラクターをしていた時期がある。

 

その時の営業成績がとても良かったのだが、

それは私は生徒さんの名前を人より早く覚えることができ、

他のインストラクターよりも生徒さんをそらで名前で呼ぶのが早かったからかも。

 

この人はとても感じがいいなと思う人や、できる人だなぁ!

と思う人はそういえば、こちらの名前を2回めに会ったときに覚えてくれて呼んでいるのだ。

 

「相手の名前を呼ぶ」ということには、

この本を読んで腹落ちしたので早速実行している。

小さな事だが、コツコツ実行していくと違いがでそうな点。

 

お世辞は不要!相手の強みを知って共感するだけでいい

営業をしていると、

相手や相手の会社を褒めなきゃ!と頭で必死に考えていることがある。

 

そうでは無いのだ!

「共感」が必要なのだ!

という点になるほど~と思った。

 

 経営者というのは孤独な存在です。とくに中小企業の経営者は、正解のない問題集と戦うような日々、責任を背負い、一人で頑張っている方が多いのです。社員はその胸の内を理解してくれないし、家族でさえその仕事をよく理解していなかったりします。

 

『できる大人は「ひと言」加える』

23 お世辞は不要!相手の強みを知って共感するだけでいい より引用

 

 

この引用した部分には感じるものがあった。

確かに中小企業の経営者の方には、一人で戦っているような方が多いので、

共感したことを自分の言葉で「ひと言」付け加えるようになりたいな。

 

電車の車内で中学生を小さなヒーローにしたひと言

 ある午後、東京の私鉄、京成線に乗っていたときのことです。

 私は東京都内の電車の移動では、よほど席が空いていない限り座らないのですが、その日は十分に空いていて座っていました。私の隣には中学生と思われるメガネをかけた少年が、マンガを読みながら座っていました。うららかな陽気の日です。

(以下略)

 

『できる大人は「ひと言」加える』

電車の車内で中学生を小さなヒーローにしたひと言 より引用

 

 

このエピソードはとても印象に残った。

筆者が少年にかけた「ひと言」は、なるほど!

 

短いエピソードだが

内容は、ぜひ本を実際に読んでみてください。

 

薄めの本だけどおすすめの本です!

 

 

【おすすめ本82】『人生を変えるクローゼット整理』霜鳥まき子 パーソナルスタイリスト

『人生を変えるクローゼット整理』

霜鳥まき子

2017年 株式会社マイナビ出版発行

 

ハンガーはとっくに同じもので揃え、

服はシルバー、ゴールド、白、ベージュ、黄色と、

全部グラデーションで同じ向き(私は右利きなので服の正面が左に来るように)に並べられている。

 

それでも、コーディネートを楽しめない(昔は楽しかった)

 

ということで、読んでみたこの本。

 

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この本をおすすめしたい人

  • ”幸せ服”を中心にしたクローゼットを作りたい人
  • 服をたくさん持っているのに着たい服がない人
  • コーディネートがワンパターンな人
  • 40歳前後で、似合う服が変わってきたように思う人

 

著者紹介

霜鳥まき子(しもとりまきこ)

パーソナルスタイリスト。

青山学院大学英米文学科卒業後、日本航空国際CAとして10年間乗務。人の人生にもっと寄り添うような仕事につきたいと、パーソナルストイリストの創始者である、政近準子氏に師事。

その後2013年に独立し、株式会社シモトリパーソナルスタイリングオフィスを創設。これまで1万人以上のスタイリングを行う。

スタイリストがアドバイスを行うアプリサービスの「STYLING ME」や、ショップチャンネルで展開している自身のブランド「BLESS U(ブレスユー)」のプロデュース、家事代行サービス「タスカジ」ではクローゼット収納、スタイリングサービスを手がけ、今回はそのクライアント様にも取材協力を頂いている。

 

『人生を変えるクローゼット整理』より引用

 

この本のおすすめポイント

  • 処分するだけでは無く買い足すべきものがわかる
  • クローゼットの見直し、アイテムの総ざらいができる
  • 書いた私服の予算の考え方が学べる
  • 小物やスカーフなどの収納の仕方がわかる
  • 自分にとっての”幸せ服”を考えるきっかけになる

 

心に残った点・役に立った点

幸せ服を見つける

この本では、不要なものを処分したあとやることは、

”幸せ服”を見つける事。

 

これがなかなか面白い点。

 

幸せ服というのは、

「これぞ私らしい」という服。

 

処分したあとに残した服は好きな服ばかり。

そこから”幸せ服”を見つける。

 

とてつもなく好きな1着。

見るだけでテンションがアガる1着。

サイズがオーダー服のようにぴったり。

着るたびに人に褒められる。

着心地がいい。

顔が明るく見える。

最愛の人に会う時に選んでいる。

着ていると気持ちが落ち着く。

これを着た日は商談もスムーズ。

 

そんな風に選んでも良いそうだ。

 

すぐ思い浮かんだのは、

ダイアン・フォン・ファステンバーグのベージュにオレンジやピンクの柄のワンピース。

これを着ると、顔が明るく見え、着心地がやわらかく、

自分に自身を持てた思い出もちょっとだけある。

 

この本には、黒のカーディガンを選んだ方も載っていて、

それはボタンに特徴があり皆がほめてくれるお品なのだそうだ。

そんな選び方もステキだなぁと思う。

 

このように、トップスやボトムス、バッグや帽子を選んでも良いそう。

 

そして選んだ”幸せ服”をベースにコーディネートしていくのがこの本。

つまり、これから身につけていくべきファッションの羅針盤になるのが”幸せ服”。

 

なりたい自分へのイメージづくり

クローゼットに悩みがある=自分がなりたい姿を自覚できていない

 

そこで、自分が求めるイメージを整理していくために、

チェックリストが載っている。

 

過去に誉められてうれしかった服、

失敗した服なども思い浮かべていく。

 

そして、1年後の自分はどうなっていたいかを文字に書いていく。

 

すると、目指すべきファッションも見えてきて、

現状と理想を把握、どうしたら理想に近づけるか考えていきましょうというのが、この本のルール18。

 

 部下に慕われたいのに今の服装はへんに気張ったオーラを発しているかもと思えば、少しフェミニンにシフトするのもいいし、残した現役服が将来のイメージと合致しているなら今のままでいい、ということになります。

 

『人生を変えるクローゼット整理』Rule18 より引用

 

 

この点は、まさに目からウロコ。

 

部下に慕われたいというなら、

行動や言動を変えるというのは当たり前に考えるが、

服装を変えるというのはなるほど!と思った。

 

そう言われてみれば、

オフィスでの服装によってクールすぎたりすると

話しかけにくかったりするよなぁと思い当たる。

 

いつも私は黒ベースのスーツ。

これも、考えたほうが良いかもとこの本を読んで考えた。

 

アクセサリーはどう選ぶ?

 アクセサリーをほとんど使わない方はかなり多くいらっしゃいます。つけたとしても、ひかえめなモチーフのミニマムなネックレスだけ。しかもどんな装いのときも同じ品。それでは服も生きてきません。コーディネートをつくるうえでアクセサリーは大きな要素です。

(中略)

特にナチュラルメイクの人や、顔の色つやが落ちてきたと感じる人には、雰囲気に華やかさを添える必須アイテムと言えるでしょう。

 

この点は、私も耳が痛い・・・・・。

仕事の時は、なーんにもつけない。

仕事の時いアクセサリーを付けることに消極的になっていたというか。

あ、仕事の時にアクセサリーを付けることで、必要以上に人目につきたくないという消極的な意識もあったかも。

 

昔は、ジャケットの下にスカーフを巻いたり、

じゃまにならないブレスレットをしたりしていたが、

考えてみると、その頃の方が顔周りが明るく見えて積極的な人に見えていたいたような気がする。

 

 

収納テクニック

ベルトは巻いてしまうのがコツだそうだ。

 

私は、フック状のものに金具部分をひっかけてぶら下げて収納していたが、これは実はNGなんだそうだ。

これは知らなかった!

ベルトは体に沿うような微妙なカーブがつけられているそう。

だから下げっぱなしだとゆがんでしまうとのこと。

ベストはぐるぐる巻いて、透明ポケットなどに入れること。

 

それから気になったアイテムは、ブーツ専用のシューズキーパー。

ブーツを逆さまにして置けるタイプが紹介されていたが、

これは通気性も良さそうだし、型崩れもしなさそう。

何よりシューズキーパーを入れるのは面倒だが、これは簡単そう。

 

こんな風に収納テクニックは、

参考になることが沢山あった。

 

他にもヒールをはくかスニーカーかでは違うデニムの丈つめの長さなど、

プロならではのアドバイスも載っているし、

コーディネート、クローゼット整理に悩んでいる方にはおすすめです!

 

 

 

 

 

 

 

【おすすめ本81】『起業家』藤田晋 サイバーエージェント代表取締役社長

『起業家』

サイバーエージェント代表取締役社長 藤田晋

2013年 株式会社幻冬舎発行

 

このブログの2021年11月6日にアップした、

『渋谷で働く社長の告白』

が大変面白かったので、もちろん次の本も読むでしょうと読んだ本。

 

 

nonko-h.hatenablog.com

 

この本をおすすめしたい人

  • 『渋谷ではたらく社長んの告白』を読んだ人
  • 起業したい人
  • IT関連の仕事に就きたい人
  • 終身雇用の日本型企業をつくり社員が安心して働く会社を作りたい人
  • サイバーエージェントがどのようにして今に至ったかを知りたい人

 

作者紹介

藤田晋(ふじた・すすむ)

株式会社サイバーエージェント代表取締役社長。

1973年福井県生まれ。

97年青山学院大学卒業後、人材会社の株式会社インテリジェンスに入社。

翌98年に株式会社サイバーエージェントを設立、代表取締役社長に就任。2000年に史上最年少(当時)の26歳で東証マザーズ上場。

著書に『渋谷ではたらく社長の告白』『藤田晋の成長論』

(以下略)

 

(『起業家』より引用)

 

 

 
 

 

この本のおすすめポイント

  • 華やかな時代の寵児に見える藤田晋さんも、いくつかの苦しい時期を乗り越えてきたのがわかる
  • 起業につきものの苦しさと大変さをその時の心情までオープンに語らている
  • その時表に出なかった買収の危機にあった時のことが詳しく書いてある
  • 新卒で取った社員を育てていく日本型企業に方針を転換してうまく機能しているところが目から鱗が落ちる
  • 起業の苦しさだけではなく充実感や熱量も伝わってくるので、起業したい人はエネルギーがわいてくるかも

 

心に残った点・役に立った点

 

買収の危機

2001年5月、ネットバブル崩壊後株価低迷に喘いでいたサイバーエージェント

当時M&Aコンサルティング社長の村上世彰氏がサイバーエージェントの株を10%買い占めていたそうだ。

 

と、書くと

「あー、村上氏が物言う株主とか言って注目されていた時期ねー。」

とすぐ思い浮かぶ人も多いだろう。

 

村上ファンド」という言葉でだいぶ注目されていましたよね。

 

2001年に村上氏はサイバーエージェントの第4位の大株主になっていたそうだ。

 

そして村上氏から、

サイバーエージェントが上場時に調達した225億円を、1度株主に返したらどうでしょう。つまり一度会社を清算してやり直したらどうか、ということです」

と通達されたのです。

そこからは、悪夢のような数か月でした。

その頃、サイバーエージェント保有している現金よりも市場の株価が低かったために、現金目当てで買収し、赤字事業を整理すれば巨額の利益が出るような状況にあったのです。

(中略)

 しかし、この初夏から秋までの期間、私の持つ潜在株式の契約上の問題と、村上氏のアドバイスに従って自分の株を社員に配ったことで、私の株式保有比率は下がっていました。

 気がつけば、どこかの大株主がその気になれば、サイバーエージェントを子会社化することが可能だったのです。

 

『起業家』第1章 暗闇の中で より引用

 

『渋谷ではたらく社長の告白』に、この一連の買収騒動のことは書かれているが、本が発売されるまで、サイバーエージェントの社員はそんな危機が迫っていたことを知らなかったそうだ。

 

その後、買収の危機が過ぎ去ったころ、

「和解の会」と称した食事会が開かれたそうだ。

メンバーは、村上世彰氏、熊谷正寿社長(GMOインターネット代表取締役会長兼社長)、宇野康秀社長(USENグループ会長)、三木谷浩史社長(楽天代表取締役会長兼社長)、代理人井上智治氏(井上ビジネスコンサルタンツ代表取締役)、藤田晋氏の6名。

 

村上氏が仕掛けた買収騒動を、和解しようと呼びかけたのは村上氏だったそう。

 

場所は、2001年にオープンし話題を集めていた、

渋谷のセルリアンタワー東急ホテルの地下2階、能楽堂が見渡せる一日一組しか予約を取らないお座敷。

 

このあたりのくだりはとても面白く興味深いので、是非本でどうぞ。

 

 

長く働く人を推奨する会社に

 

2003年、1泊2日で役員がひたすら話し合う機会のために行った合宿。

リクルート創業者の江副氏の著書『かもめが翔んだ日』を参考に、豪華な旅館かホテルを予約してほしかったらしいが、実際は寂れた老人ホームのような宿だったそう)

 

この合宿で、その後の経営に大きく影響を与えたのは

「長く働く人を推奨する会社にしよう」

という考え方だったそう。

 

これが、サイバーエージェントの企業文化の土台になったのだそうだ。

 

それまでのサイバーエージェントは、社員がよく辞める会社だったそう。

実力主義成果主義がほとんどのIT業界では、できない人が会社を去るのが当たり前のこととされているわけなので、これは目から鱗が落ちる思いがした。

 

 その風潮に疑問を呈したのが、創業からずっと一緒にやってきた日高祐介(現・副社長)でした。

「やっぱり新卒で採った社員は優秀だよね」

と言い出したのです。

「新卒は、この会社が最初なんだから、サイバーのカルチャーを身に付けやすい」

「たとえ景気が悪くなっても一生懸命に頑張る社員が多い」

そんな発言でした。

 

私たちは皆、その言葉を待ち望んでいたのかも知れません。

 

『起業家』第2章 土台作り より引用

 

 

私は、元某大手の関連会社だったところで働いているが、

ものすごい成果主義で、6か月で見切りをつけられる人も多い。

 

だから社員の入れ替わりがとてもはげしく、

名前も覚えていない(覚えられていない)人も多い。

 

じっくり成果を出すタイプにはとてもきつい会社なので、

理不尽さを感じる部分も多い。

その分、ものすごい給料をもらう人もいるが、それはほんの一部。

 

会社の入れ替わりが激しいということは、

それだけ会社のコストもかかるということ(これが馬鹿にならないぐらいのコスト)

 

雰囲気も殺伐としてくるし。

 

だから、サイバーエージェントのこの決断は、

本当に素晴らしいと思う。

 

それで思い出したのは、

ブラジルのセムコ社。

 

従業員3,000人のコングロマリット企業だが、

組織図なし、起業戦略もなく、就業規則、業務標準などのルールもない。

仕事は社員が自分で決め、管理されないという会社。

 

とにかく、社員が働くのが楽しく

会社にくるのが楽しみという会社なのだ。

 

人間は、安心して働ける状況の方がパフォーマンスがあがるという研究結果も読んだことがあるが、競争がパフォーマンスをあげると思っていた私にとってはかなりの衝撃だった。

 

セムコ社の場合は、組織図も無く、ルールが殆どないので

サイバーエージェントとはぜんぜん違う形態だが、

サイバーエージェントは行動規範を張り出したり、価値観「maxims」という小冊子を配ったりしているし)

仕事をする人を一人の自立した大人として扱っている、

社員を大切にするという会社のメッセージという点では一緒かも。

 

今の時代に福利厚生に力を入れる会社は驚かれるだろうなぁと思う。

でも、人の入れ替わりが多いのはとてもコストがかかるのだ。

引き継ぎするために、一時的に辞める人と新しい人が一緒に働くので、給料も2倍かかるわけだし。

 

日本型と言っても、経済成長期を前提にしたあり方はもう通用しない。

時代に即した日本的経営モデル。

 

印象的なのは、

目標を達成した部署には飲み代を支給、翌日の半休もセット。

「達成した時くらい、心ゆくまでゆっくり飲んでくれ」という意味だそうだ。

 

これは、いいなぁー。

 

会社の飲み会って、若い時は嫌なものだったりする。

少なくとも、新卒の頃は大嫌いだった。

だが、いつの間にかとても楽しめるようになった。

 

サイバーエージェントでは、飲み会が頻繁に行われるようになって、ギスギスした社内が円滑に動くようになったそうだ。

 

飲み会って面倒かもしれないが、

お酒が入ると気分が和らいで、いつも話せないことを話せるし、

違う部分も見たり見せれたりする。

特に日本人はシャイで気を使うから、

お酒が入らないとどこか緊張感を持って人と接したりしているし。

飲み会で関係が和むことも本当にたくさんある。

 

面白いのは、

若い人が多いサイバーエージェントがそれをやって、

結果が出ているところ。

 

追い風

第3章 追い風では、

ホリエモンが、時代の波に乗って一気に有名になっていく様子が書かれている。

 

古くから一緒に仕事をやってきた友人のホリエモンが、

時代の寵児になっていく様子が書かれていて面白い。

 

印象的なのは、

「名乗りを上げるのはただ(無料)。これは発見だったよ」

というホリエモンの言葉。

 

確かに。

プロ野球参入はできなかったが、

これでホリエモンは一気に名が知れたものね。

 

ここから、逮捕後まで

友人として見たホリエモンが一部書かれていて、

二人のスタンスの違いなども面白い。

 

サイバーエージェントで面白い仕事しているなぁと

思うのは、将棋や麻雀のオリジナリティあふれる番組をやっているところ。

 

スカパー!で観ていたような番組が

こうやって見られるようになったのも感慨深い。

 

長文になってしまった。

おすすめの本です。

 

 

 

【おすすめ本80】『小休止のすすめ』 ヒロミ 藤田晋 ★運を呼び込む「人生の休み方」の極意

『小休止のすすめ 運を呼び込む「人生の休み方」の極意』

ヒロミ

藤田晋

SBクリエイティブ株式会社 2019年発行

 

ヒロミが何年か前に再ブレイクしたそうだ(テレビを殆どみないのでよくわからない)

 

だが、むかーしテレビでハワイに買った家でくつろぐ様子をみた。

エアコンがついていないのだそうだが、

窓から気持ち良い風が入ってきて死ぬ時はこの椅子に座って死にたい言っていた。

それが、とても気持ちよさそうでハワイの家いいなぁと思った。

 

そのあと、家から夫婦ふたりでウォーキングに行く様子が流れていた。

奥さんは言わずと知れた松本伊代さん。

 

ヒロミはマメで器用な印象だったが、感心したのは奥さんの松本伊代さん。

彼女はとても賢い女性なんだなぁと。

旦那さんをそのまま受け取っている感じの夫婦の距離感がとても良くて、

家事が得意ではない印象だったが、そんなことどうでも良くなるほど彼女に感心した。

 

ヒロミの活躍は松本伊代さんという奥さんも関係あるんだろうなあと思いながら読んだが、なかなか良かったのでご紹介。

 

 

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この本をおすすめしたい人

  • 人生の変化を求められている人
  • 小休止を考えている人
  • 私生活を充実させることに罪悪感を持つ人
  • 落ちぶれるのが怖い人

 

作者紹介

ヒロミ(ひろみ)

1965年 東京都八王子生まれ。

1986年、ミスターちん、デビット伊東等と共に「B-21SPECIAL」を結成。

若者を中心に絶大な人気を誇り、1990年にゴールデン・アロー賞芸能新人賞を受賞。1993年に歌手・タレントの松本伊代と結婚。

日本を代表とするMCとして活躍。40歳の時に加圧トレーニングジム51.5をオープン。

著書に『言い訳しない生き方。』(ロングセラーズ)がある。

 

藤田晋(ふじた すすむ)

1973年福井県生まれ。

97年に青山学院大学経済学部を卒業後、株式会社インテリジェンスに入社。

98年に退社し、インターネット総合サービス企業、株式会社サイバーエージェントを設立。代表取締役に就任。

2000年に当時史上最年少で東証マザーズに株式上場後、14年には東証一部へ市場変更、日経ビジネス「社長が選ぶベスト社長」に選出される。

16年、テレビ朝日と共同出資でインターネットテレビ局AbemaTVを発足させるなど新たな事業にも進出。

『起業家』『渋谷ではたらく社長の告白』『運を支配する』など著者多数。

(『小休止のすすめ』より引用)

 

 

 

 

この本のおすすめポイント

  • おじさんと呼ばれる年齢になった時の挫折への向き合い方が参考になる
  • 「立ち止まる」ときを肯定し、受け入れていいんだとわかる
  • 同じタイトルでヒロミと藤田晋さんが話しているので、それぞれの考え方の違いが面白い
  • 落ちぶれた自分を認めてみようという気になる
  • 「良いプライド」「悪いプライド」について考えることができた

 

心に残った点・役に立った点

 

躓いた原因

この本を読んでなぜヒロミが再ブレイクできたのかがわかった。

 

40歳頃から司会をしていた番組が潮が引くように終わっていったそうだ。

その時、時代が自分を必要としていないのを感じで、自ら芸能界から身を引いたとのこと。

 

40歳で躓いた原因は「変化できず」「修正できなかった」ことにあり、

引き出しがなさすぎたということに気がついたそうだ。

 

時代が変化して、自分自身も変わるように求められたなら、変わるかどうか、どう変わるべきかを検討すべきとの事。

 

変わるのが難しいと感じたら、小休止を取れば良い。

別の世界に身を置くと、小さなことにこだわっている自分が客観的に見えてくるという言葉は、なるほどと思った。

 

小休止を経て80%を心がけるようにしてみたら、うまくいくようになったのだそうだ。

200%で突っ走ると成果は出ても、周りの人を置き去りにしていくことがある。

 

これって、よくわかる。

100%を続けると自分がバーンアウトしてしまうし、

人を見る目も厳しくなってしまうし、批判的にもなってしまったりする。

(なんであの人はもっと頑張らないんだろう!とかね)

 

落ちぶれた自分を認める

ヒロミは若い頃にはほとんど挫折感を味わわないまま、長い小休止に入ったのだそうだ。

 

 おじさんと呼ばれる年齢になっての、初めての大きな挫折。若いうちに売れず苦労して挫折感を味わいまくる人、50歳で上場企業からリストラされて途方に暮れる人。挫折と向き合うタイミングが違うだけで、誰もが一度は「きついな」という局面に出くわすときがある。人生はそういうふうにできているのだと思う。

(中略)

芸能界から離れた先輩たちの中には、そうやって周りから「落ちぶれた」目線で見られているうちに、本人も落ちぶれた感を漂わせるようになっつぃまった人もいた。たまにくるテレビの仕事にしがみつき、「いい番組がなくて」「自分にあう企画がなくて」と誰にともなく言い訳しながら小さなプライドを守り、次のステップを踏み出すことなく落ちぶれた感の中に埋まっていく。

(中略)

 しがみついてまでやりたくないからテレビから離れ、遊びたいから遊び、ジムをやってみたかったからやったのだ。

 この決断にプライドを持つためにも、僕は一回、胸を張って負けを認めることにした。世間の人がこちらを落ちぶれたと見るなら、たしかにそうだ、と。

 

タイミングが違うだけで、誰もが挫折を感じるような事、キツイという時は一度は来る、そういう風にできているという言葉に、ハッ!となった。

 

主人は今挫折を味わっている最中だから、なおさら胸に響いた。

 

私は、主人に「もっと頑張れ!」「あなたはできる人だったし、こんなに実績を出してきたんだからもったいないよ!」とずっとハッパをかけてきた。

 

私が主人を励まし、できるのにもったいないからそれをわかってもらい自信を持ってもらおうと思っているのだが、主人はいつも辛そうだった。

 

そして、主人は時には苛立ち「もうダメなんだって!諦めろ!」と怒鳴ったりした。

 

そうか。誰よりも負けを認めたくないのは、主人ではなく私だったのだ。

 

主人の事を考えると言うより、私が負けを認めたくないだけだったのだとこの本を読んでわかった。

 

 自分は一時代を築いた・・・・・みたいなプライドを守って、負けを認めないであがいていると、次の扉を開けることができなくなる。

 両手を上げて、「はい。たしかに1つの世界で必要とされなくなりました。負けました」と。実績もプライドもぽいっと捨てられるよう自分と対話するのが、小休止に入るときにするべきことなのかもしれない。

 負けること、挫折することはそんなに悪くない。人生が終わるわけでも、全財産を失うわけでもない。負けても、挫折してもたかがしれている。問題は、世間の「落ちぶれた」と見る目に押されて、自分から「落ちぶれた感」を出してしまうことだ。

『小休止のすすめ』より引用

 

この部分は、私の心に響いた。

同時に負けを認めるとかいう視点から全く考えたことが無かったから、

こういう考え方にちょっと驚いた。

 

認めづらいものを認めるのも、ある種の強さ。

次に進むには、一旦落ちぶれた自分、負けた自分を認める。

なるほど、と思う。

そうすることで次の扉が開かれるというのは、

たしかにそうだろうなぁと。

 

目を背けてきたものをしっかり見て、自分と対話をするということ。

 

小休止とはそのためにあることということらしい。

 

誰にでも1度はやってくる挫折の時に、

自分を受け入れて小休止できるかどうかは大事かもしれない。

それが出来ないと、軌道修正もしないままつっぱしってしまうか、

追い詰められてしまうか。

 

頑張っている人ほど、

小休止という考え方は受け入れがたいかもしれない。

だが、この本にあるように小休止して遊んでみる(たとえそれが休みの日だけであっても)のはすごく大事かもしれない。

頑張っているおじさん世代にもおすすめです。

 

 

【おすすめ本79】『洋服で得する人損する人の服の着方』霜鳥まき子 40歳からの正しいおしゃれ

『40歳からの正しいおしゃれ 洋服で得する人損する人の服の着方』

霜鳥まき子

2017年 大和書房 発行

 

電車に乗っていると、

同じような服でも着こなしによって素敵に見えたり、そうでなかったりするのがよく分かる。

サイズがあっていない人も多い。

 

そういえば、新卒で会社に入った時の同期がお金持ちの娘で、スーツを買う時に必ずお直ししてフィットするようにしていた。

新卒でも5万円くらいのスーツをお直しして自分にあうラインで着るのだから、いつもスーツを誉められていたなぁ、その彼女。

 

だから、洋服はフィット感がとても大事。

 

そんな事を思い出させてくれる本なので、ご紹介。

 

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この本をおすすめしたい人

  • 服の着方だけでなく服のお手入れ方法が知りたい人
  • スカートやパンツ、ジャケットなどの試着する際のポイントが知りたい人
  • 40歳を超えて、洋服の着方がわからなくなってきた人
  • アイテムを選ぶときのコツが知りたい人
  • ジャケットやパンツなどのベーシックアイテムの着こなし方法が知りたい人

 

作者紹介

霜鳥まき子(しもとりまきこ)

 

パーソナルスタイリスト。

株式会社シモトリパーソナルスタイリングオフィス代表。

青山学院大学英文科卒業後、日本航空国際線CAとして10年間勤める。

海外で経験したパーソナルショッパーという職業を通し、もっと人の人生に携わることができる仕事に就きたいと、政近準子氏に師事。

2013年独立。約1万人のパーソナルスタイリングを通して、クライアントの人生そのものに寄り添ってきた。コーディネイトだけにとどまらず、クローゼットチェックからショッピング同行、美容院同行でトータルプロデュースを行っている。品格がありながらもいきいきとした大人の女性に生まれ変わるスタイルングが定評で、テレビ、雑誌などでも活躍。(以下略)

 

『洋服で得する人損する人の服の着方』より引用

 

 

この本のおすすめポイント

  • カーディガンならば「肩幅が広い人」「肩幅が狭い人」などの選び方がわかる
  • 試着の際のチェックポイントがわかる
  • ストールやベルトのアレンジ術が載っている
  • 服の手入れのポイントがわかる
  • 40歳以上にターゲットをしぼっているのでその年代の人の服の選び方がわかる

 

心に残った点・役に立った点

ジャケット

ジャケットの袖からのシャツ袖の見せ方など意識していない部分。

男性は、スーツの袖からワイシャツの袖が1~1.5cm見えるのが良しとされているそうだが、女性の場合はインナーの袖が見えないほうが美しいそうだ。

 

これはたしかに!

 

男性のスーツは、シャツの袖が出ていないとかっこ悪く見えるし、

袖を出すのは知っていたが、女性の場合は見えないほうが良いのねぇ。

 

私は寒い時期に薄手のタートルをスーツの下に着たりするが、

その袖が覗いたりしていた。これって美しくない事だったのね。

勉強になるなあ。

 

ジャケットに合うシャツ選びなども参考になった。

 

「ジャケットはサイズ感で決まる」の項目では、

肩幅、ラペル、後ろ身頃などのサイズ感が載っているし、

脇のシワやたすきジワなどシワのでき方で、どの部分がサイズが合わないかも書いてあるので、試着する際の参考になる。

 

ジャケットのポケットデザインによって、どういう印象に見えるか、

袖口の切り込みあり、切り込みなしできちんと感はどうなのかなど、

普段はあまり気にしていないディティールの説明もなるほどーと思った。

 

この本のこのあたりは、仕事でスーツを着る女性におすすめポイント。

 

スニーカー選びでおしゃれ度がわかる

40歳以上になると、スニーカー選びも難しくなるかも。

 

この本では、エレガント、スポーティーで例が載っている。

 

特にスポーツ系のスニーカーは注意しないと足元だけにボリュームが出たりしてなかなか難しい。

だから、スポーツ系のスニーカーはスリムパンツや筒型のワンピース、ロングスカートと合わせてとの事。

 

ベルト(ひとまず着けてみる、乗せてみる!)

ベルト、最近使っていなかったなぁー。

クローゼットに沢山下がっているベルト。

 

この本にもベルトが苦手な人が本当に多いと書かれているが、

苦手というより持っていても使わない、コーディネートを考える時にベルトをつけるという意識が無い。

 

だが、この本のベルトのページをみると、

ベルトの効果を改めて感じた。

 

ベルトを付けるだけで、ウエストマークされスッキリ見えている(載っている写真が)

 

ジャケットの上に細めのベルトを巻いている例も、

実際にしたことが無いのでやってみたいと思うコーディネート。

カットソーにもベルトをしていいんだーという意識の変化もあったしなかなかためになった。

 

大人女性のたしなみ、万能パール

この本の良いところは、

パールなどの定番で普遍的なアイテムの選び方、購入の仕方が載っているところ。

(肌によって色選びが違うなども)

 

パールは黒真珠と白を両親からのプレゼントで持っているけど、

ケースに入れっぱなしで使っていない。

 

おおよその目安は10万~20万との事。

この価格帯でピンとくるものを持てばよいのだそう。

 

パールのお手入れ法も載っていて、乾いた布で拭くのは知っていたが、

汚れがひどくなった場合は宝飾店やデパートの貴金属売り場でクリーニングしてもらえることは知らなかった。

この情報はありがたかった。(そうそう汚れないけど、知っているだけで安心)

 

40歳を過ぎたらお直しでセミオーダー

この本を読んで「なるほど!」と思ったのが、

女性もスーツをオーダーという点。

 

主人はそう高価なスーツでも無いが、

デパートでセミオーダーしているので体に合うサイズ感だからか、

上司などにスーツを誉められることがあるようだ。

 

なんとなくスーツのオーダーって、男性のものと思っているが

たしかに女性もオーダーってありだなぁと。

 

女性スーツブランドは激減しているそうで、

量販店かハイブランドが多く、中間のショップがないそうだ。

それならむしろ、オーダーのスーツということらしい。

 

自分の体にフィットしたものをつくるだけで、

着ていて軽く、肩や腰、膝周りに負担を感じないのがオーダースーツ。

 

最近は店も増えて、リーズナブルになったそう。

 

これは良いかも。

 

今後、選択肢の一つにしていこうと思う。

(スーツの肩周りの堅苦しさが無くなりそう)

 

試着の大事さ、着こなしの大事さがわかる本。

おすすめです。

 

 

 

 

【おすすめ本78】『ORIGNALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』アダム・グラント

『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』

アダム・グラント著 シェリル・サンドバーグ解説 楠木建監訳

2016年 三笠書房

 

 

『「与える人」こそ成功する時代』が24カ国以上で翻訳・ベストセラーになったアダム・グラント氏の本。

 

『「与える人」こそ成功する時代』がとても良かったので、

ワクワクしながら読み始めた。

 

 

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この本をおすすめしたい人

  • 「オリジナルな人」になりたいがどうしていいかわからない人
  • 自分の人生に変化を与えたい人
  • まわりを巻き込む説得力が欲しい人
  • チャンスを最大化するタイミングが知りたい人
  • 「オリジナルな人」の例を知りたい人

 

作者紹介

アダム・グラント(Adam Grant)

ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。

1981年生まれ。

同大学史上最年少の終身教授。

『世界でもっとも優秀な40歳以下の教授40人』、世界でもっとも重要なビジネス思想家50人(「THINKERS50」)のうち一人に選ばれるなど、受賞歴多数。

「グーグル」「ディズニー・ピクサー」「ゴールドマンサックス」「国際連合」などの一流企業や組織で、コンサルティングおよび講演活動も精力的に行う。

デビュー作『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』(三笠書房)は31カ国語で翻訳され、全世界で大ベストセラーに。

続く本作も『ニューヨーク・タイムズ』誌でビジネス書の売上第1位、アマゾンUSでも第1位(企業文化)を獲得している。

 

楠木 建(くすのき・けん)

一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)教授。経営学者。

1964年東京生まれ。専門は競争とイノベーション。著書に本格的な経営書として異例の大ヒットとなった『ストーリーとしての競争戦略』のほか、『「好き嫌い」と経営『好き嫌い』と才能』(以上、東洋経済新報社)、『戦略読書日記』(プレジデント社)、『経営センスの論理』(新潮新書)、『好きなようにしてください』(ダイヤモンド社)など、ベストセラー多数。

 

『ORIGNALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』より引用

 

この本のおすすめポイント

  • 「オリジナルな人」は特別ではなく誰でも「オリジナルな人」になれる事が書いてある
  • 起業の成功体験が書いてあり学術的な説明がなされている
  • 生まれながらの天才も努力によって成功した事例が載っているので興味深く読める
  • 「賢者は時を待ち、愚者は先を急ぐ」驚くことに先延ばしの効果が書かれている
  • あくまでも研究者の視点で書かれているので説得力がある

 

 

心に残った点・役に立った点

「今、使っているネットブラウザ」からわかること

経済学者のマイケル・ハウスマンが、顧客サービス係の勤務が長く続く人とそうでない人がいるのはなぜか解明するプロジェクトを指揮。

 

銀行や航空会社、携帯電話会社で、顧客に電話対応をする3万人以上の従業員のデータを入手、雇用履歴を見れば仕事への取り組み方がわかるのではないかと考えた。

 

今まで職を転々としてきた人はすぐやめてしまうのではないかと思ったが、実際はそうではなかった。

(過去5年に5つの職についた従業員と、同じ職を5年間続けている従業員を比較しても、離職率に差はみられなかった)

 

ハウスマンは、従業員が職に応募するときにどのブラウザでログインしたかという情報を入手していたことに気が付き、思いついて解析。

 

ファイアフォックスまたはクロームを使っていた従業員は、インターネットエクスプローラーまたはサファリを使っていた従業員よりも15%長く勤務していた。

 

ハウスマンは偶然だろうと、同じ方法で欠勤率を分析してみると、同様のパターン。

 

研究チームは、売上、顧客満足度、平均通話に関して300万件近いユーザーは売上が高く、通話時間が短かく、顧客満足度も高かった。

 

食についてから90日のうちに、インターネットエクスプローラーまたはサファリのユーザーが120日かかった顧客満足度に到達していた。

 

職に定着し、欠勤が少なく、業績も高かったのはブラウザそのものが原因ではなく、ブラウザの好みからうかがい知れる、習慣が要因との事。

 

重要なのは、ブラウザを「どのように」入手したか。

パソコンの場合、ウィンドウズにはインターネットエクスプローラーがあらかじめインストールされている。

マックならばインストールされている。

顧客サービス係のおよそ3分の2があらかじめ組み込まれたブラウザを使っており、もっとよいものがあるかという疑問をもたなかった。

ファイアフォックス、クロームを入手するには、少しだけ頭を使い別のブラウザをダウンロードしなけらばならない。

みずから行動を起こして、よりよい選択肢がないかを探し求めるという自発的な行為が、どれほど小さいとしても職場での行動を決定づけるヒントになるとの事。

 

 

これを読んでとてもおもしろく感じた。

そしてかなり納得。

 

マニュアル通りに会話を進め、苦情に対しても決まった手順で対応していた。

業務内容を固定したものととらえるため、仕事に不満を感じると欠勤するようになり、離職する。

 

ファイアフォックスまたはクロームにブラウザを変更した従業員は、商品を売ったり顧客の疑問点に対応したりする新しい方法を常に探し、気に入らない状況があればそれを修正していたそうだ。

 

要するに、自発的に環境を改善していくので、離職する理由が無い。

だが、こういう人たちは例外なのだそうだ。

 

これを読み、自分のことを振り返ってみた。

 

職場で新しい方法を常に探し、自発的に環境を改善していっていただろうか?

 

・・・・教えられた事をそのままやっているだけだなぁと。

 

人間関係が良好なら職場環境は良いと思えるが、それ以外の工夫は全くしていないと気がついた。

 

因みに私が使っているブラウザはクロームと、フェンリルsleipnir(すごく好きで長年使っている)。

 

 

「起業家」=「リスクを負う人」?

 

「起業家」を意味する「アントレプレナー(Entrepreneu)」という言葉は、経済思想家のリチャード・カンティロンによる造語だそうだが、原義は「リスクを負う人」との事。

 

この本で取り上げられているワービー・パーカー(メガネのオンライン販売会社)への投資を作者は断ったそうだが、その後大成功。

 

投資を断った理由

  1. 4人共学生(生活の全ての時間を投入していない)
  2. 4人の焦点が噛み合っていないため、ウェブサイトも準備されていない。4人が納得する社名をつけるだけでも6ヶ月もかかっている
  3. 卒業後も全時間を投入して会社に専念する気はなく、卒業後の就職先の内定をもらっている(選択肢を残している)

 

「真剣さがなく、入れ込みようが足りないんじゃないか?全力投入せずに無難なところを狙いすぎて、失敗する運命にあるのでは?」

と疑問をいだき、投資の話は断ったのだそうだ。

 

確かにこの状況をみると、中途半端に思えてほとんどの人が投資を断っただろうと思う。

 

だが、実際はそういう姿勢で望んだからこそ成功したのだそうだ。

 

この本は「オリジナル」ということに焦点をあてているが、

オリジナリティには徹底的にリスクを冒すことが必要だという通説をくつがえし、オリジナルな人たちは私達が思うよりもずっと普通の人たちなのだということをあらわしている点が良い。

 

起業なんて、リスクを冒す勇気がある人こそ成功するという思い込みがあったので、

この本はその点でも面白い。

 

「若き天才」と「経験豊富なエキスパート」

若くないとオリジナリティは湧き出ないと思われている。

 

だが、オリジナリティがピークに達する時期とその持続時間は、個人の思考スタイルにかかっているのだそうだ。

(だから早咲きの人と遅咲きの人がいる)

 

イノベーションには2つのスタイルがある。

「概念的イノベーション」と「実験的イノベーション」だ。

 

概念的イノベーターは、大胆なアイディアを思い描いてそれを実行に移すタイプ(短距離走社)

 

実験的イノベーターは、試行錯誤を繰り返して問題解決を行いながら学び、進化を遂げていく。

あらかじめ計画するのではなく、進めていく中で解決策を見出していく、というのが実験的イノベーター(マラソン走者)

 

シカゴ大学の経済学教授ディビッド・ガレンソンがノーベル賞を受賞した経済学者を調べたところ、概念的イノベーターは偉業を平均43歳で成し遂げている一方、実験的イノベーターは平均61歳だった。

 

有名な詩人たちのもっとも増刷を重ねている詩を分析してみたら、概念的イノベーターは傑作を28歳の時に書いていたのに対し、実験的イノベーターは39歳。

 

ノーベル賞受賞歴をもつ物理学者を一人ひとり調べた別の研究では、30歳未満の若き天才のうちのちょうど半数が、理論的研究を行った概念的イノベーター。

一方、45歳以上の老練のうち、92%は実験的研究をしていたそう。

 

概念的イノベーターは、ある分野にはじめて触れてからさほど時間が経たないうちに重要な貢献を果たすので、問題への一定のアプローチ法が定着してしまうと、オリジナリティが低下していくのだそうだ(アインシュタインの問題もそこにあったそうだ)

 

反対に、実験的なイノベーションは、必要な知識とスキルの蓄積に何年も何年もかかるが、オリジナリティの源泉としてより長続きする。

(過去のアイディアを何度も繰り返し使うのではなく、実験によってつねに新たなアイデアを見つけていく)

 

年齢を重ねてもオリジナリティを維持し、専門知識を蓄積していきたいなら、実験的アプローチをするのが良いということ。

(あらかじめ計画せず、あいまいなアイディアや解決法を試していく)

 

つまりマラソンを完走する忍耐でゆっくりと着実に経験を積むことによってオリジナリティを維持していくことができるということは一般の人にも希望につながりそう。

 

 

  • 他にも「誰と組むか」が勝敗を決める パワフルな結束をつくる人の見分け方
  • 「はみ出す人」こそ時代をつくる

 

など、面白く興味深いテーマが沢山。

おすすめです!