辛い時にはいつも本があった

辛い時にはいつも本があった

辛い時、苦しい時、悲しい時に書店に行くといつもその時の気持ちにぴったりの本との出会いがありました。

【おすすめ本84】『絶体絶命な彼らの華麗なる決断』鳥原隆志 バタバタ状態を乗り切るインバスケット思考

『絶体絶命な彼らの華麗なる決断』

鳥原隆志

2012年 WAVE出版発行

 

 

奈々とあゆみ、

そして「ミラクル」のメンバーの

行く手にたちはだかる数々の問題。

デビューコンサートの

幕をあげられるかどうかは、

すべて60分間の

あなたの判断にかかっている!

 

表紙カバー裏に書かれたこの言葉。

とても面白そう!

読み始めたらグイグイ引っ張られる感じで最後まで楽しく読めた。

 

※インバスケットとは、架空の人物になりきって、

限らえた時間の中でより多くの案件を精度高く処理するビジネスゲーム。

 判断力や問題解決力を問うビジネスリーダーのツールとも言われている。

 

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この本をおすすめしたい人

  • インバスケット思考に触れたことがない人
  • 昇進試験などでインバスケットを学びたいけど難しそうと思っている人
  • とっさの時にパニックになってしまう人
  • 自分の判断力に自身がない人

 

著者紹介

鳥原隆志(とりはら・たかし)

 

株式会社インバスケット研究所 代表取締役

インバスケット・コンサルタント

大手流通業にて、さまざまな販売部門を経験し、

スーパーバイザー(店舗指導員)として店舗指導や問題解決業務に従事する。

昇格試験時にインバスケットに出会い、トレーニングと研究を開始する。

その経験を活かし、株式会社インバスケット研究所を設立。

これまでに制作したインバスケット問題は、ゆうに腰の高さを超える。

現在、日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活躍中。

著書に10万部のベストセラーとなった『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』、『人を動かす人柄力が3倍になるインバスケット思考』(以上小社刊)、『いまから、君が社長をしなさい』(大和書房刊)、『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』(中経出版刊)などがある。

 

『絶体絶命な彼らの華麗なる決断』より引用

 

 

この本のおすすめポイント

  • 物語形式でインバスケット思考が学べる
  • インバスケット思考の基本的な部分だけがシンプルに書かれているので難しくない
  • ライブを直前に控えたバンドが次々におそわれるトラブルを解決していく形式をとっているので自分が当事者ならと考えながら読みすすめていける
  • バンドのキャラクターのセリフが面白く(特に奈々とか)物語として楽しく読める
  • 気軽に読める内容なのでインバスケット思考に対するハードルが下がりもっと知りたくなる
  • ビジネスシーンでは無い想定なので、普段の生活でもインバスケットを活用できるとわかる

 

心に残った点・役に立った点

 

バタバタしている人

 バタバタしている人にはバタバタする原因があり、その原因が外にではなく、自分の中にあるのは間違いない事実です。外に原因を求める人もいますが、私はその方がたとえ職場を変わられても、恵まれている状況にいてもバタバタしているのを知っています。

 

『絶体絶命な彼らの華麗なる決断』おわりに より引用

この本の「おわりに」にあるこの文。

 

私の若い頃を思い出すと、ほんとうにこれ。

そしてミスも多かった。

 

少しずつ自分で改善をしていったけど、コツがわかっていなかったので、

とても遠回りしていた気がする。

 

今考えると、優先順位も間違っていたし、

判断力もなかった。

(判断力があると思っていたが、この本を読んで判断力はなかったと気がついた)

 

新卒の頃にこのインバスケット思考を学んでいればなぁーと。

 

20の案件を処理

 

 あなたは軽音楽バンドグループのリーダー青沢茂人(あおさわしげと)です。

 (中略)

 

 じつは本日は、結成した軽音楽バンド「ミラクル」の初めてのコンサート日だったのです。

(中略)

 

 しかし、コンサート会場に到着するとなにやらおかしな雰囲気です。

(中略)

 今回のコンサート開催についてホール手配などのプロデュースを頼んだ、イベントプロデューサーの狩野という男が、5日前から連絡が取れなくなったというのです。しかも、前売り券の販売代金40万円をすべて渡してしまったと奈々から聞かされました。

 このお金は、本日の会場台や観客の飲食代などに充当するつもりでした。

 奈々が付近のライブハウス「荻野ホール」を探し、幸運にも本日は予約が入っていなかったのでホールを予約することができ、観客に対する会場変更の通知も完了っしているものの、会場側からは、規定で本日の18時までに入金がないと、途中でコンサートを打ち切ってもらうことになると言われ、奈々が現在交渉しているとのことです。

 

 開演まで1時間。

 あなたのもとにはさまざまな案件が押し寄せます。

 これからあなたは、リーダーの青沢として20の案件を処理してください。

 

『絶体絶命な彼らの華麗なる決断』より引用

 

正直に言って、私はこの20の案件を考えてもわからなかった。

 

開演1時間前という時間を考えると、

なんで!?という気持ちが先行してしまい、

とてもじゃないけど、優先順位を冷静に考えられないと思う。

 

きっと、目の前のことから処理してしまい、

結局時間切れになってしまっていると思う。

 

自分に足りない部分、インバスケット思考でいう、対策立案力(対案を出すことによって、対策を比較し、より良い対策を作り出すことができる)や、調整能力なども意識して身につけようとしないと身につかない部分を知ることができた。

 

きっとこの本だけでは、インバスケット思考を全部身につけるのは難しいかもしれないと思う。

インバスケット思考の基本となる屋台骨の部分が書かれているが、

どう実践するかというとこの本しか呼んでいない人は戸惑うかも。

 

だけど、インバスケット思考をもっと知りたいと思う本。

何より、物語にひきこまれてイッキに読んでしまう。

 

ラストもとても前向きで、読後感も良い。

 

余談だが、読んでいて登場人物の奈々の天真爛漫な性格がちょっとうらやましかった。

私は不思議と彼女がどんどん好きになっていった。

 

インバスケット思考に興味を持った方、

是非どうぞ!