『台湾調味料いただきます手帖』沼口ゆき
株式会社 誠文堂新光社 2019年7月発行
台湾には何回か行ったことがあり、おととしなどは思いついてすぐホテルを予約。
その位気軽に行ける国。
その楽しみの一つが食べ物。
日本の影響も多く、『日式』なんて看板の食べ物やさんも見かけたりする。
今はコロナ禍で行くことができないが、
また行けるようになった時に調味料を買ってくるのも楽しいなぁと、コロナ禍がおさまった後に夢をはせながら眺められる本。
この本をおすすめしたい人
作者紹介
沼口ゆき
ル・コルドン・ブルー東京校、リッツ・エスコフィエ・パリ料理学校等で料理と製菓を学んだ後、料理研究家の有元葉子氏に8年間師事し、独立。1996年より料理教室開始。
2001年から築地に料理スタジオを構え、2009年場外市場に『波よけ通りキッチン』をオープン。2013年からオリジナル台湾ツアーを主催し、2015年秋に台北へ留学。現地で料理教室やレストランのアドバイザーとして活躍し、帰国後の現在も日本と台湾を行き来する日々が続いている。
『台湾調味料いただきます手帖』より引用
この本のおすすめポイント
- 台湾の調味料を知る事で台湾の食文化がわかる
- レシピが載っているので実際に作ってみることができる
- おすすめの調味料が載っているので、購入する際に参考になる
- 辣油や金桔醤などの調味料の作り方が載っている
- おすすめのお店などが載っているので台湾で調味料を購入する際に参考になる
心に残った点・役に立った点
台湾の冬の食べ物
台湾は1~2月が寒いそうだが(私は1月に台湾に行った時はワンピースにカーディガンという服装、夜はレザーの薄手のコートという服装で大丈夫だったので日本の冬よりもかなり温かいですよね)、台湾の人は冬は体を温める漢方スープベースの鍋や羊肉の鍋、鴨肉の鍋をよく食べるそうだ。
その他にも生姜入りナツメ龍眼茶も冬のメニューだそうで、
ちゃんと季節にあった食べ物で体をケアしているのだなぁと。
確かに、豆花という伝統的なスイーツを食べた時には、漢方っぽいなぁと思ったのを覚えている。
魯肉飯
今では日本でもポピュラーになった感のある魯肉飯だが、
日本でみられるレシピは、その殆どのレシピは五香粉というスパイスを使うレシピ。
(花椒、クローブ、シナモン、スターアニス、フェンネル、陳皮で創られたスパイス)
以前、私が作ったときもこの五香粉で作ってとても美味しかった。
(でもスターアニスの香りがずっと台所に残る感じがちょっと苦手)
この本では、著者が最も尊敬する台湾のシェフから教わった極上レシピとの事。
材料
豚バラブロック肉 1.2kg
紹興酒 600ml
水 200ml
醤油 70~80ml
中ザラ糖 大さじ3~3と1/2
みりん 大さじ1
ホンツォンスー 30g
サラダ油 大さじ1
ゆで卵、温かいご飯 各適量
と、いうわけで五香粉は使われていない。
このホンツォンスーというのがポイントらしい。
魯肉飯もホンツォンスーなしでは作れない。
台湾本場の風味を醸し出す「もと」
紅葱という小さな赤い葱を薄切りにしてじっくり揚げたもので、香ばしく、甘みがあり、台湾料理になくてはならない調味料です。家庭で手作りもしますし、お手軽に買ったものを使う場合も。私も市場で手作りのものをよく買います。スープや青菜炒めに少し加えるだけで、コクと香りが断然違います。
『台湾調味料いただきます手帖』より引用
このホンツォンスーを手に入れたくてネットを見たが、なかなか売っていない。
本書には、ホンツォンスーを手作りするレシピが載っているのだが、日本で手に入りにくい紅葱の代わりにベルギーエシャロットを使って作るレシピ。
ベルギーエシャロットもなかなか手に入りにくく(明治屋とか紀伊国屋に行けばいいのかも)、作るにいたっていない。
台湾でよく見る「鶏肉飯」も、ホンツォンスーを加えたスープでゆっくり火を通して作るのだそうだ(「鶏肉飯」もおいしいですよね)
と、言うわけで次回台湾に行ったときは、ホンツォンスーを買ってきたいなぁと思う。
(この本に”これもおすすめ”と載っていた瓶詰めのものを)
他にも台湾ならではの調味料が
著者は、あるお店でこぼれるほどピーナッツバターをかけたハンバーガーを食べたのだそうだ。これが驚きの美味しさだったそうで。
ハンバーガーにピーナッツバターは抵抗あるなぁー。
でも食べてみたい好奇心がうずうず。
その他にも、メイナイヅーというのは、台湾のマヨネーズ風調味料だそうで、酸味は控えめで甘いそうだ。
著者いわく”おとぼけ味ですが、憎めない調味料です”との事。
甘いマヨネーズ風調味料もちょっと抵抗あるなー。
(甘いものが苦手なので特に)
でも、それを使ったサンドイッチがなかなか美味しそう。
文だけで読むと、想像の味は「?」のものもいくつか載っているが、それが面白い。
台湾の食文化の一端を知ることができて興味深い。
コロナ禍がおさまり、台湾に行って調味料を買ったりする楽しさを思い浮かべながら、もう少し踏ん張りましょう。
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