辛い時にはいつも本があった

辛い時にはいつも本があった

辛い時、苦しい時、悲しい時に書店に行くといつもその時の気持ちにぴったりの本との出会いがありました。

【おすすめ本16】マーチャンがゆく 北欧編 若宮正子 本 徹子の部屋出演

以前、81歳でゲームアプリを作った女性がいると知った時は、

「そういう時代になったんだなぁ。」とか「年を取っても可能性はあるんだなぁ。」とふわっとした感想しか持たなかった。

(でも、年をとってもチャレンジの可能性がある事に心が明るくなったけど)

 

その女性がこの本の著者若宮正子さん

 

「一番好奇心をくすぐられるのは海外旅行とテクノロジー。」

とおっしゃるだけあって、40代の頃から海外を一人旅されていた。

それもパックツアーではなく、全くの個人旅行。

今みたいにiPhoneも無い時代の女性一人旅はすごい。

 

その『マーチャンがゆく 北欧編』若宮正子 を読む機会があったのでご紹介。

 

ちなみに、原文はなんとパソコン通信のボード上(ニフティサーブ)との事。

 

ありましたねー、ニフティサーブ(やった事はないけど)

そんな時代からパソコンに触れられてアウトプットされていた事に、改めて驚きです。

 

この本をおすすめしたい人

  • 若宮正子さんのプログラマー以外の部分を読んでみたい人
  • 年配になってから一人旅にチャレンジしたい人
  • 昔の北欧の様子が知りたい人
  • 観光地の感想よりも北欧の人との交流が読みたい人

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作者紹介

若宮 正子(わかみや・まさこ)

 

1935年生まれ。

1954年、三菱銀行入社

関係会社を経て1997年、退職。

日本ニュージーランド・フレンドシップ協会理事。

パソコン通信ニフティサーブ・メロウフォーラム会員。

好きな事・・・①海外旅行。在職中より、休暇を利用して海外旅行を楽しむ。主として個人旅行で、現在までに39回にわたり29か国を訪れる。(1年に8日は旅行に費やし、残りの357日は、前回の旅行の反芻と次回の計画に当てている)

②英語学習

③パソコンいじり。最近自作の「マーチャン1号機」を完成させた。

欲しいもの・・・時間。

有り余っているもの・・・好奇心。

 

『マーチャンがゆく』より引用

 

 

この本のおすすめポイント

 

  • 有名になる前の若宮正子さんを知ることができる
  • 年配になっても楽しめるという事が実感できる
  • 女性の一人旅(それも熟年でも)にチャレンジする勇気が持てる
  • ペレストロイカ直後のリトアニアの様子がわかる
  • リトアニアにあるスギハラ通りなどの事がわかる

 

 

 

 心に残った点・役に立った点

まず最初に、この本が発行されたのが平成10年とかなり古いことをお伝えしなければならない。

 

だから、作者の価値観も今の感覚とは違うと感じる人もいるかもしれない。

作中に登場する、訪れた先で交流があった女性達の表現(オバチャン、バアサンなど)に違和感を感じる女性もいるかもしれない。

 

この本は、パソコン通信ニフティサーブ上、高齢者向けフォーラム「メロウフォーラム」に上梓されたものをまとめたもの。

 

お城などの観光名所の感想などより、人との交流を多く書いているので、

その当時の北欧などの人々の様子がわかる。

 

そして、女性一人旅でも積極的に人々と交流をはかっていう積極性がすごい。

 

海外旅行をして後々まで印象に残る事や、その国の印象を決めるのは、観光地の様子よりもその土地の人とのやりとりだったりするのは、私も同じ。

ちょっとした交流でも、心に残ったりするんですよね。

(台湾で間違ったところでタクシー運転手におろされ、ウロウロしていたら力になろうと話しかけてくれた台湾の家族とか、パラオで親切にしてくれた女性の事とか)

 

だから、日本に来た旅行者にはやっぱり親切にしたいなぁと思う(日本を嫌いになって欲しくないというか)

 

だいぶ昔の事だけど、宇都宮の新幹線のホームでウロウロしていた外国人観光客に「困りごとはないですか?」というような事をつたない英語で話しかけたら、「大丈夫。でも有難う。」というような返事をもらった。

それだけの事なのに、その女性の顔がパァッと笑顔になった。

何だか、声をかけるのにも勇気がいったのだが、声をかけてみて良かったなぁと。

 

作者の若宮さんの中学時代は戦後の混乱期だったそうだが、その時に「自分は、いつかそこに行くのだ」と信じていたところが、この本で最初の方に載っている「ソグネ・フィヨルド」。

何十年後にいつか行く!と思ったところに行ったところが、行動することで夢は叶うんだなぁと。

 

今は、世界中でいわゆる「COOL JAPAN」は普及してアニメも色んな国の人たちが観ているしそれを実感する場面も多い。

 

だが既にその当時のリトアニアでも「タレント志願の少女たち」のアニメ(なんのアニメだろう?)が放映されていたとは。

 

ベラルーシのテレビ局のニュースの時間に日本の大相撲の公演が放映されている(小錦が豪快に倒れるシーン)ことにも驚き。

 

こういうその地の人たちの生の部分が感じられるのがこの本。

 

文は淡々とかかれているし、出版されたのもかなり前。

誰もがおもしろい!と思う本ではないかもしれない。

しかし、

旅行に行くのなら、一人がお勧めです。二人だと「日本(または日常)をそのまま連れていく」可能性が高いからです。

 

『幸福のレッスン』鴻上尚史 より引用 

 この鴻上尚史氏が『幸福のレッスン』で訴えている事そのものの旅をなさっているのがこの本だった。