辛い時にはいつも本があった

辛い時にはいつも本があった

辛い時、苦しい時、悲しい時に書店に行くといつもその時の気持ちにぴったりの本との出会いがありました。

【おすすめ本17】60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。若宮正子【アプリ開発】

まだ60歳は過ぎていないが、私もご多分に漏れず老後に不安を感じている。

何だかそれは、胸の奥かお腹の底あたりに重しのようにいつもある感覚。

 

だから、この本に興味を持った。

 

この本をおすすめしたい人

  • 年を取るのが怖い人
  • 人と自分を比較してしまう人
  • 定年後に何をしたらいいのかと考えている人
  • シニアでパソコンやプログラミングにチャレンジしたい人
  • 徹子の部屋や色んな媒体で作者 若宮正子さんに興味を持った人

 

f:id:nonko-h:20201228192027j:plain

 

作者紹介

若宮正子(わかみや・まさこ)

 

1935年東京生まれ。

東京教育大学付属高等学校(現・筑波大学付属高等学校)卒業後、三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)へ勤務。

定年をきっかけに、パソコンを独自に習得し、同居する母親の介護をしながらパソコンを使って世界を広げていく。

1999年にシニア世代のサイト「メロウ倶楽部」の創設に参画し、現在も副会長を務めているほか、NPO法人ブロードバンドスクール協会の理事として、シニア世代へのデジタル機器普及活動に尽力している。

2016年秋からiPhoneアプリの開発をはじめ、2017年6月には米国アップルによる世界開発者会議「WWDC 2017」い特別招待される。

安倍政権の看板政策「人づくり革命」の具体策を検討する「人生100年時代構想会議」の最年長有識者メンバーにも選ばれた。

 

『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。』より引用

 

この本のおすすめポイント

  • 年を取る事に恐怖がなんだかなくなる
  • 年をとっても自分の考え方や行動次第で楽しい人生を送れると知ることができる
  • デジタルに抵抗がある人、もう遅いとあきらめている世代でもチャレンジしてみようかなと思える
  • 作者の同世代の親にもこの本をプレゼントしても良さそう

 

心に残った点・役に立った点

  

好奇心は年を取らない!

まずは、定年後の生活における「楽しくなさそうなこと」を書き出してみてください。そして、その「楽しくなさそうなこと」を避けられるアイディアを探してみるのです。

 

『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。』~まえがきにかえて~ より引用

 

まえがきの、このポジティブでアクティブな発想にまずは、なるほど!

 

「楽しくなさそうなこと」をひとつひとつ、アイディアに置き換える

 

この言葉は、とても参考になった。

 

時間の事

「やりたい」と言いつつ、始められて落ち込む人がいるが、

結局、やらない=そこまでやりたいことではなかった。

やらなかった事を恥じる必要はない。

本当に望む時間の使い方と向き合ってみて。

 

と作者 若宮さんは書いている。

 

そして、時間の使い方の工夫も、スケジュール管理はグーグルカレンダー。

外出の時は、あらかじめシュミレーション、調べた情報は封筒に日付と幼児を書いて、まとめて入れておくとの事。

 

デジタルとアナログを上手に融合させているのが面白い。

 

比較するなら過去の自分と

 

この言葉は私の胸に刺さった。

 

誰かをうらやましい、と思う気持ちは、多くの人が経験したことがあると思います。もちろん私だって少しはそうです。

(中略)

でもあるとき、比較ってつまらないという事に気がついたのです。

(中略)

比較し続ける限り幸せにはなれない。

比較するなら過去の自分と。

 

『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。』

第1章 心も体も元気でいるには より引用

 

比較して惨めな気持ちになったり。

思考っていつの間にか勝手に比較してたりする。

それが、苦しい時もあるよね。

 

他人と比較するのではなく、自分と。

 

それだけでも、だいぶ違うかもなぁー。

この部分はとても参考になった。

 

独学ができる人は強い

プログラミングで有名になった若宮さんだが、

読書の習慣もずっと続けているとの事。

 

インターネットでも調べられるが、本に比べるとまだまだ玉石混淆だと述べている。

本は体系立てて書いてあるので、全体像がつかみやすいと。

 

この辺りのデジタルとアナログのバランス感覚が素晴らしいですね。

 

私が子供の頃に大好きだった(そして今でも大好きな)ウェブスターの『あしながおじさん』の名前が出てきてたのも嬉しい。

 

 

宇宙人

若宮さんは、メロウ倶楽部で俳句に出合ったそう。

メロウ倶楽部の「俳句の部屋」に宇宙人という俳号で投稿しているとの事。

 

江ノ島をひとつ残して冬茜 [宇宙人]

 

この俳句を読んだ時は、俳号の宇宙人インパクトに噴出してしまった。

こういう感覚が楽しく生きるヒントなのかもしれない。

 

 

 余命3ヵ月の男性との出会い

メロウ倶楽部の「生と老の部屋」というコミュニティで出会った男性の話が切ない。

高級おせちの話が心に残る。

(内容は本でどうぞ)

 

転んだら起き上がればいい

若宮さんは独身だが、高校時代からお付き合いされていた男性がいたとの事。

結婚の話ももちあがっていたそうだ。

そんな時、2人はその時起きた2つの出来事で引き裂かれた。

 

  1. 若宮さんの心の病気(本書で書かれている内容から推測するとパニック障害が鬱かもしれないなぁと思う。その後治って復職されたそうだが)
  2. 男性が学生運動に傾倒して捕まってしまい大けがをして入院。退院後は海外にいってしまう。

 

 この2つの出来事が立て続けに起きた20代前半はとても辛いものだったようだ。

 

いつも明るくエネルギッシュに見える若宮さんに、こんなお辛い事があったとは。

想像すると、こちらも胸が痛くなるような切なく辛い内容だ。

 

イメージする若宮さんにその影を全く感じさせないので、

挫折知らずの方かと思ったらそうではなかった。

(そりゃ誰にでも辛かった事があるのはわかるが)

 

痛みも経験してきた上での今の彼女なのですねー。

その上で、60歳を過ぎると人生はどんどん面白くなると言い切れることは、色んな人に勇気を与えてくれる。

 

 ちなみに第4章では、姿を消した彼のその後の事が書かれております。

(奇跡!との事だが、ネタバレになるのでここまで)

 

 
いつだって、今がスタートライン!

興味があることや、やってみたいことに制限を設けているのは誰だろう、ということを考えてみてください。一番の敵はひょっとしたら自分かもしれない。

(中略)

人はいくつになってもスタートラインに立てる。そして、スタートするかどうかは自分で決めることになるのです。

たとえ笑われたって、一緒に笑ってしまえばいいだけですから!

 

『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。』

~あとがきにかえて~ より引用

 

この言葉は、心に残った。

人はいくつになってもスタートラインに立てたらいいなぁーとは思っていた。

でも実際にスタートラインに立つには遅すぎるように思っていた。

 

結局は、自分が、私が決めていなかったという事にこれを読んで気が付いた。

ありがたい言葉だった。

 

そして、

たとえ笑われたって、一緒に笑ってしまえばいいだけですから!

と。

 

そっか。一緒に笑っちゃうか。

言われてみるとそうだなぁと思うが、目から鱗の言葉であった。

笑い飛ばすという事がなかなかできず、だからスタートが切れない。

だから無駄に辛かったりするのかもなぁ。

 

うーん。なるほど。

 

そんな感じで、気づきが沢山あった本。

 

 

シニア世代だけではなく、年を取ることにネガティブなイメージしかない方や、

もしご両親がつまらなそうに生きている方がいたら、ご両親にプレゼントしてもいいかもしれない。