【おすすめ本22】京都ミステリーの現場にご一緒しましょ 山村紅葉 【母 山村美紗との思い出】
コロナ過の今、なかなか京都に行くこともできないが、
一時この本を読んで頭の中で京都めぐりをする事ができた。
それほど厚くない本なので、あっさり読める。
ミステリー作家の故山村美紗氏との思い出もふんだんで、
彼女のミステリーのファンだった方はこの本でまた作品を紐解いたりできると思う。
コロナがおさまり、また美しく洗練された京都へ行ける世の中になるよう願って、
この本をご紹介。
『京都ミステリーの現場んびご一緒しましょ』 山村紅葉 PHP研究所
この本をおすすめしたい人
- 山村美紗のミステリーのファン
- 山村紅葉のファン
- 京都に育った山村紅葉から見た京都および京都のおすすめに興味がある人
- 山村紅葉のエッセイを読みたい方
- 観光地やお店から山村美紗のミステリーを紐解きたい方
- 一風変わった京都案内を読みたい方
- 2時間ドラマがお好きな人
作者紹介
山村紅葉(やまむら もみじ)
京都生まれ。
ミステリーの女王・故山村美紗の長女。
早稲田大学政治経済学部在学中より、テレビ「2時間サスペンス」に出演。
大学4年生のときに、国税庁国税専門官試験に合格。卒業後は国税調査の仕事に就いたが、大蔵省(現財務省)官僚との結婚を機に退職。
その後、ふたたび、「2時間サスペンス」に女優として復帰し、2時間サスペンスドラマ主演の年間最多は31本。
現在は、テレビドラマ以外に、舞台、バラエティ番組等でも活躍中
著書に、『おきばりやすー京女は今日も一生懸命』(双葉社)、『山村紅葉が厳選!ほんまもんの京都みやげ100』(学習研究社)などがある。
『京都ミステリーの現場にご一緒しましょ』より引用
この本のおすすめポイント
- 娘 山村紅葉からみた山村美紗の姿が書かれている
- 山村美紗のミステリーに出てきた箇所が載っているので、ミステリーを思い描きながら観光ができる
- そんなに厚くない本なのでさらっと読め読みやすい
- 新書版なので携帯しやすい(京都にも持っていきやすい)
- 巻末に簡単な地図とリストが載っているので、この本を持って京都をまわることができる
心に残った点・役に立った点
山村美紗のミステリーを読んでいたのは、10代の終わりから20代位だろうか。
新刊が出るたびに、必ず購入していた。
殺人シーンが苦手でミステリーも読むのを避けていたが、山村美紗のミステリーは毒々しくなく読みやすく、ミステリーに親しむきっかけをくれた作家。
この著書に出てくる山村美紗のタイトルも読んだ覚えがあるものばかりで、
何だか懐かしい。
女性が書いたミステリーだからか、出てくる女性が華やかで女性らしい(その当時流行っていた綺麗な色のスーツやワンピースを着て帽子をかぶっているイメージ)。
グループ交際も度々出てきたような印象。
綺麗な恰好をして、京都で美味しいものを男女で食べて、という日本の景気がまだ良かった頃の名残がある。
哲学の小径を知ったのも、山村美紗のミステリー。
私のような方は、他に沢山いるのではないでしょうか?
【おすすめ本16】『女優の箪笥』を以前このブログでご紹介したが、
その中にも山村紅葉さんが出ておられ、母と着物の事を語っていらっしゃったが、
着物って、母と娘の関係に深くかかわっていたりして興味深かった。
この本でも、山村紅葉さんから見た 母 山村美紗さんの事が書かれている。
女王 山村美紗さんが母というのは、色々プレッシャーもおありだったろうし、山村美紗さんはほとんど褒めなかったという事だったので、娘であることはなかなか大変な部分もあったかもしれないと想像する。
だが、山村紅葉さんはとても賢い女性なのですね。
この本を読むと、ちゃんとお母さまの思いを理解なさっている事がわかる。
そんな事が伝わってくる本。
そんなふうにして、母の想い出を整理できたといういう意味でも、この本を書いてほんとうによかったと思っています。
その過程で、私自身がいかに京都を愛しているかということにも、あらためて気づくことができました。その京都愛は、間違いなく、母から受け継いだもの。母はお祭りや季節のイベントに家族や親戚中で繰り出すのが大好きで、子どもの頃の私は、そのたびごとに人込みで迷子になっていました。私もお祭りは好きでしたが、正直、「なぜそこまでして?」と不思議でした。
今ならわかります。母は娘の私に、深い愛情をもって、ことあるごとに、京都のよさを教えてくれていたのだと。
『京都ミステリーの現場にご一緒しましょ』おわりに より引用
生前は、とても華やかだった山村美紗さんだが、山村紅葉さんが2時間ドラマに出続けられるように、ミステリーを書き続けていたという話は有名だ。
母と娘の関係。
どこの家にも、それぞれにドラマがあるものですよね。
コロナ過がおさまった折には、この本を片手に母と娘で京都を旅するのも良いかもしれないですね。