辛い時にはいつも本があった

辛い時にはいつも本があった

辛い時、苦しい時、悲しい時に書店に行くといつもその時の気持ちにぴったりの本との出会いがありました。

【おすすめ本74】『写真とイラストでわかる 大正時代をのぞいてみよう』

『写真とイラストでわかる 大正時代をのぞいてみよう』

編著:『大正時代をのぞいてみよう』編集委員会

株式会社汐文社

2021年1月 発行

 

 

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今回は絵本。

 

大人も楽しめる内容なので、お子さんと一緒にどうぞ。

 

 

この本をおすすめしたい人

  • 大正時代をお子さんと一緒に知りたい人
  • 鬼滅の刃で大正時代に興味がわいた人
  • お子さんに楽しんで100年前の日本を知ってもらいたい人

 

この本のおすすめポイント

  • 写真やイラストが豊富
  • 大正時代の暮らしだけではなく、ファッション、文化、戦争や災害などの歴史分野も書いてある
  • 大正時代が自分の認識よりはるかに進んでいて驚く

 

 

 

心に残った点・役に立った点

 
アニメとこの本

 

よくよく見ると、表紙に炭治郎の羽織の柄なのに、

ふふふ(笑)となった。

 

今秋、アニメの『大正オトメ御伽噺』を見始めたが、

この本に載っていた風景が何度も出てきてびっくり!

(デパートとか)

 

おかげで、より楽しめている。

 

マンガ『ゴールデンカムイ』は、

明治時代なのでこの本の世界よりも前なのかーと思うと

文化面、歴史面などを見るにつけ感慨深くなった。

 

 

大正時代ってどんな時代?

 

大正時代は今から約100年前の時代です。

100年前なんて、すごく昔のような気がします。

でも、100年前の子どもたちもチョコレートやキャラメルを食べたり、カルピスを飲んだり、キックスケーターのようなおもちゃで遊んだりしていたんです。

休みの日には映画を見たり、カフェでお茶を飲んだりしてすごしていました。

今と似ているような気がしますね。

でも、ちょっとずつちがうんです。

チョコレートやキャラメルは、デパートで売っているような高級なおかしでした。映画には音がありませんでした。電気やガスが整いはじめましたが、まだまだ炭を使って料理をしたり、部屋を暖めたりしていました。

今と似ているようでちがう大正時代。どんな時代なのかのぞいてみましょう。

 

『写真とイラストでわかる 大正時代をのぞいてみよう』から引用

 

まず、本を開いて表紙カバー裏にあるこの文に驚き!

 

そうか、100年前というと私の子供の頃は明治時代だったイメージなので(いつも夏目漱石が思い浮かぶ)、それから年月が経ち現在から100年前は大正時代になったんだなぁーと。

 

チョコレートもキャラメルもカルピスも昭和のイメージ。

でも既に大正時代にあったし、キックスケーターもあったなんて。

 

この驚きのまま、好奇心がむくむくわいて、

楽しくこの本を眺めることができた。

 

 

大正時代に既にあった!

この頃に既にあったものは、驚きの連続。

 

最先端の高級住宅では、

なんと水洗トイレもあったのだそうだ!

(もちろん和式)

その水洗トイレは棚などもあって、まるで小さな和室みたい。

 

え!そうなの!と思ったのは、

「カラスのちょっとかしこくなる話」のコラムの中にあった、

”シャーペン誕生!”

 

大正4年に、日本初の国産シャープペンシルが誕生。

早川金属工業の早川徳次さんが発明とのこと。

 

ちなみに、早川金属工業の今の会社名は、シャープ

 

だからか!

と、シャープという会社名とシャープペンシルが結びついた。

 

もちろん、金属工業会社なのでシャープペンシルの軸は金属製。

 

面白いなぁ。

 

 

大正時代の建物

 

東京駅は、大正3年に建てられたそうで、

この本の写真をみても、本当に圧倒的な存在感。

そして、とてもきれい。

 

そして、東京駅の向かいに建てられた丸ビルの写真をみて、

のけぞるほど驚いた。

 

当時、日本最大のビルで、低層階は店舗、上層階はオフィスビルとなっていて、複合ビルの先がけだったそうだ。

 

写真をみると、とても巨大。

 

大正時代すごい。

 

この写真を主人に見せたら、

「今の丸ビルと形が同じだ!!」

と主人も驚いていた。

 

えー!形はちがうでしょ!

と思ったら、今の丸ビルの下の部分が

大正時代の丸ビルと同じデザインになっているのね。

 

今の丸ビルを設計するときに、

この大正時代に出来た丸ビルのデザインを残したんだなぁとわかる。

おつなことをするなぁと感心。

 

他にも、東大の大講堂なども大正時代。

 

大正時代にあった高い建築物は、

「東京凌雲閣」「大阪通天閣」など。

 

東京凌雲閣は、明治23年に建てられたレンガ造りで、

日本初のエレベーターがあったそう。

 

大正12年の関東大震災で倒れてしまったようで、残念。

 

そういえば、この間みた『大正オトメ御伽話』にも、

東京凌雲閣が背景にあって「あっ!!」と思って面白かった。

 

 

自由と平等、歴史

 

この本は絵本だが、

大正デモクラシー治安維持法普通選挙法、

女性解放運動などの事も書いてある。

 

なかなか内容も高度で、

全国水平社やロシア革命で日本の米が値上がりしたことなども書かれており、

のちのち歴史の教科書で学ぶこともちゃんとわかりやすく説明してある。

 

子ども用だからと子どもの世界だけではなく、

きちんと、世相や歴史を学べるようになっている点がとても良い。

 

おすすめです!!